<< 仕事のできる人は料理上手? | コラムトップに戻る | 芝居談義はワインで >>

November 18, 2004

リチャード・ハドソン氏のワークショップ

ロンドンより舞台美術家リチャード・ハドソン氏が来日、まずは大阪、京都でセミナーやワークショップが開催されました。15日の大阪芸術大学AVホールで行われた講演には270名ほど、また16日の京都芸術センターのセミナーにも150名のお客様がお越しになり、大盛況だったそうです。
私は17日のワークショップ、午後の講評を見学させていただいたのですが、いや面白かったです。

ワークショップでは異なる課題を用意、1日目はオペラ「ピーター・グライムズ」を、2日目は「かぐや姫」をテーマにストーリーボードや模型を作成し、デザインをハドソン氏に見てもらうという内容でした。講評ではハドソン氏は一人一人に大変丁寧なコメントやアドバイスをおこなっていました。

ワークショップ参加者は50名ほどの申込者から選ばれた22名、主に関西の芸術系大学の学生さんだったようです。芸術センターフリースペースには関西の舞台美術家の方々の協力でたくさんの材料も運び込まれてデザイン学校のようになっていて楽しそう。

講評を見ていて感じたことがいくつかありました。日本舞台美術家協会事務局の方もおっしゃっていたのですが、創作プロセスをきちんと説明できること、これが以外とできていない。またストーリーボードを作成してデザインを作っていくことがなかなか難しかったようです。それに観客から見た視線ではどう見えるのかに気を配られていないデザインもいくつかありました。

舞台美術とは一定の時間内で変化するデザインです。単なるオブジェではだめですし、テクニカルな知識も必要です。そしてなにより、美術家1人では完結できない、コラボレーションの結果であるということがもっとも重要です。照明や演出が加わり、俳優がその空間で移動をおこなう空間デザインなのです。

今回配布されたパンフレットにハドソン氏はこう書いています。

  私は舞台美術家の仕事とは、物語を理解してもらうのを助け、聞き手の心を惹き付ける
  ことであると思います。一番に大切なことはもちろん適正な空間の創造であり、ちょう
  ど良い寸法の割り当てやマッチした雰囲気をつくりだすことにあります。
  舞台美術家が舞台上でみせるものには必然的理由がなければだめであると思います。
  私個人は不必要なデコレーションは嫌いですし、どちらかというと本質的な構造のみに
  抽象化された舞台イメージを好みます。
   (「世界の最先端をゆく舞台美術」ライオンキング舞台美術家リチャード・ハドソン氏を迎えてパンフレットより)

この企画、関西では動員が難しいのかなと思っていたのですが、私の想像以上にたくさんの方が足を運んでくださいました。特にワークショップに参加された若いデザイナーの方々には大変良い刺激になったのではと思います。

投稿者 川南 恵 : November 18, 2004 09:57 AM

コメント

コメントしてください

コメント登録機能を利用するには、TypeKey トークンを設定してください。