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July 31, 2004

27歳というターニングポイント

最近、私に連絡をしてくる相談者には27歳の方が増えてきました。この「27歳」という年齢、何かしら意味があるように思います。

大学を卒業して5年目、仕事にもなれ、今後のキャリアをどうやって築いていくのかを考える頃。演劇関係の人も同じで、養成所を出て劇団に入って自分の位置が決まってきた、または大学で芝居を始めて卒業してもバイトをしながら続けてきてなんとか一通りできる、でも、もっと上を目指すのには何かが必要になる、と思う年頃でしょう。

もう新人ではない、でも経験はまだまだ不足している中途半端な年齢、27歳は微妙な年齢です。

そんな27歳の方には今、何をすべきかを決めるためにも「3年間」で何ができるのかを考えなければいけないと助言したいです。今、焦ってもしかたがない、3年という時間をかけたらあなたは何をできるのか。

3年間、36ヶ月、1,095日で何をする?
自分の自由にできる時間を1日に3時間として3,285時間で何ができる?
そんなに多い時間ではないと思いますから、無駄に使っていてはもったいない。もう新人ではないのだから、何事も経験だと思ってむやみにあれこれ手を出すのは禁物です。頭をフル回転させて計画的に、そして具体的に考えないといけない。3年後の達成目標をはっきり見据えて、1時間1時間を大切に使ってもらいたいと思います。

次のターニングポイントは、30歳です。

投稿者 川南 恵 : 03:02 PM | コメント (2)

July 30, 2004

参加申込用紙は、熟考して書いて下さい!

私は参加者を募集するような企画に多く携わっています。

つい先日、 池内美奈子さんと「参加希望者は参加申込書の書き方を知っているのか?」ということについて語りあいました。私も池内さんも同じ意見なのですが、多くの参加申込書が「この書き方で『私を参加させて下さい』アピール度がどの位あると思っているのかしら??」程度で送られてくることに理解ができないのです。書類選考のある場合は、その1枚の申込書で「その人を参加させるかどうかを選ぶ」のです。それを本当にわかって書いているとは思えないような、味のない申込書のなんと多いことか。

私達の考える参加申込書の「悪い例」をあげます。

参加申込書には氏名、住所、年齢、略歴などの基本事項と、参加動機を書く欄があると思います。基本事項には望まれている情報を「きっちり」書くことが必要です。「俳優歴/芸歴」と書かれているのに、だらだらと出演作品を書くのはダメ。「何年」と書くべきです。空欄だと書き忘れたのかと思う場合もあります。所属がないなら「なし」。書く欄に該当しないケースの場合は注釈で簡潔に説明してもらいたい。字は丁寧に。達筆である必要はありませんが、なぐり書きのようではじっくり書かれたかのか疑ってしまいます。

次に写真貼付とあった場合。例外もありますが、募集側が写真貼付を希望するのはあなたの「顔から現れるあなたの個性」を知りたいからなのです。是非、それをきちんと伝えられる写真を貼って欲しい。どうして、みんな「証明写真」を貼ってくるのでしょうか?あの写真は誰がとってもひどい表情にしか写りません。それで、あなたを「判断」してもいい?

3つ目は参加動機の作文。熱い想いだけでも、謙虚なだけでもダメ、「私は本当は○○になりたいのですが、この企画にも興味があります」なんて馬鹿正直(?)なのはもってのほか!「この人を取りたい!」と思わせる文章を考えて下さい。私はこの企画目的や実施概要を十分理解しているかどうかを作文できっちりみます。私はあなたが日頃なんとなく思っていることを知りたいのではなく、あなたが人生に迷っていることを知りたいのではなく、あなたに参加してもらえば、あなたにとっても私にとっても「何が有益」かを知りたいのです。

最後に「申込書に収まるように書く」こと。スカスカでも困りますが、作文や履歴など別紙にめんめんと綴ってこられても困ります。規定の欄には「意味」があります。そしてそこに収まるように「考えをまとめられるか」も見るのです。

書類選考は、参加申し込みではなく、オーディションだと思っていただきたい。皆さんはオーディション慣れしていないのでしょうけれど、自分の書いた参加申込書を見直して、もし自分が選ぶ側だった場合、その申込書を見てあなたを選ぶかどうか、熟考を重ねてから送って欲しいものです。参加申込書はあなたのプロフィールです。私とあなたの「初対面」なのです。第一印象って、大切、でしょ?

良い参加申込書というのは、その人がどんな人か、書類からじわっと浮かび上がってきます。書類が「私を取らないとあなたは損ですよ」とアピールしてきます。

8月1日からは 俳優指導者養成ゼミ2004の募集が始まります。私はできるだけ多くの「良い参加申込書」に出会いたいと心から願っています。

投稿者 川南 恵 : 10:05 AM | コメント (2)

July 26, 2004

打ち合わせは90分、面接は30分

私の仕事の1つに人と会ってお話をすることがあります。進行している企画の打ち合わせであったり、調査研究のインタビューであったり、コンサルティングであったりとその目的は様々ですが、その「所要時間」を90分にしてアポイントをとります。これは今までの経験からの計測ですが、90分は私にとってはとても収まりやすい時間であります。イントロダクション(前回の対談からの進行具合と今回の対談の目的を確認すること)とコンクルージョン(その日の対談の目的を達成し、次回までの課題を提示する)の時間を含めると、60分では足りないのです。ワークショップやレッスン、授業なども1コマ90分というのが多いのですが、納得できます。

何かの選考で面接をする時には30分が私にとってキリの良い時間です。30分あれば、その方の大まかな考え方、印象、居住まいや雰囲気からある程度が見えてきます。もちろん、あらかじめ質問事項は決めて、どう話をもっていくかの流れは十分考えた上での30分です。

私が一番苦手なのが、終了時間が決まっていない打ち合わせです。中身の薄い時間がまだらにまぶされる感じの打ち合わせはとても疲れます。話の進め方や体感時間は人によってそれぞれなのでしょうが、長い時間かけての話を好む人と会う時は、覚悟して対談に望みます。仕事ですから、嫌とは言えませんもの、ね。

投稿者 川南 恵 : 09:20 AM | コメント (2)

July 23, 2004

子供と躾と想像力と

学校が夏休みにはいってどこにいっても子供がいます。お母さん達は日々の仕事が増えて「私達には夏休みがない!」と思っているでしょう。

さて、欧米では結構ポピュラーな子供用品に、散歩ヒモ(ハーネス)があります。子供に襷のような感じにベルト地のものをつけ、その中央に金具がついていて、そこに紐をひっかけて持つもの。1歳から3歳位の子供用だと思います。

でも、日本では「子供は犬じゃない」「かわいそう」などと感情的反応が多くてあんまり評判は良くないようです。しかし、これはものの見方の違いではないでしょうか?どうしてそれをつけなくてはいけないか?という理由を探る想像力が求められるような気がします。

まだ、聞き分けがつかない小さな子供は歩けるようになると独りで歩きたがります。ちょっと油断すると、親の手を振り払って、どっかへ行ってしまいます。車の多い都会での子供連れの外出には危険が一杯。散歩ヒモは子供を守るために必要なものだと思います。3歳をこえて親の言うことを聞き分けられるになれば、飛び出さないように躾をすればいい。

今日、デパートで見かけたのは、その散歩ヒモの背中に天使の羽根のついているもの。子供を連れているのはおじいちゃんとおばあちゃん。まるで天使(孫)が飛んでいかないようにしているみたいで、とっても微笑ましかったです。おちびちゃんの予測不可能なダッシュに追いつけないお年寄りにも安心できるこの散歩ヒモ、使っている人の身になって、見守ってあげたいものです。

投稿者 川南 恵 : 02:38 PM | コメント (0)

July 22, 2004

俳優スキルアップの夏コース

この夏も演劇に関する様々なワークショップやコースが開催されます。
トップクラスの指導者から2週間以上かけてじっくり基礎を学べるチャンスがずらり。

RADA in 東京
8月9日(月)- 27日(金)

フィリップ・ゴーリエ・演劇ワークショップ「チェーホフ」
7月27日(火)- 8月7日(土)

新国立劇場俳優養成サマーコース
8月9日(月)- 22日(日)

RADAとフィリップの受付は済んでしまったようですが、新国立劇場のコースはまだ受け付けています。講師陣も15名と充実、締切は7月26日(月)必着です。
もっともっと上を目指したい、もっともっと上達したいと願う若い俳優の方は申し込んでみてはいかがですか?

投稿者 川南 恵 : 08:35 AM | コメント (0)

July 21, 2004

有言不実行のHP

劇団のHPで得られる情報はいろいろですが、何かを宣言しておいて、それがなされていないHPを見ると大変がっかりします。

たとえば、「稽古場日誌、開始します!」。
日誌とは毎日書かれるもの、ですよね?
その内容も「稽古場の」日誌なわけですから、どんな稽古が行われたか、役者はどんな感じに仕上がっていくのか、演出の見どころ、この作品の見どころはなにかなど、ネタばれをうまく回避しつつ、内輪話だけに終わらないように、そしてなによりHPを見ている人に「うーん、面白そう!今度の公演見に行きたい!」と思わせるために書くんですよね?

劇団HPの訪問者の多数は「既にその劇団の公演を見たことのある」お客さんだと思います。劇団のDMリストに載っているお客さんです。劇団がHPを運営する目的の1つにその人達によりコミットしてもらうために様々な情報を掲載することがあると思います。もっと好きになってもらうため(顧客化)、公演には毎回足を運んでもらうため(固定化)、できれば、お友達を誘って公演を見に来てもらうため(動員増加)という1つの宣伝媒体なのではないでしょうか?もちろん、その劇団の芝居を見たことがない「ふり」の訪問客にも魅力的なHPでなければならないでしょう。

もし、稽古場日誌を毎日書くことができないのであれば、あらかじめ「不定期レポート」としておけばいいのです。やる(やりたい)気だけで告知され、更新されないHPは、その劇団が公演への準備で「いっぱいいっぱい」になる傾向があると自ら宣言しているようなものです。もし、毎回そうなのであれば、学習しない集団ということで、おのずと観客の動員は停滞したままでしょう。いや、減っていくかもしれませんね。こんな彼らに公演と公演の「空白時期」をうめるような工夫を求めるのは。。。さらに無理ですね。

言っておいてやらないより、出来ないのであれば言わない、それがHPを訪れる人への心遣いだと思います。

投稿者 川南 恵 : 08:46 AM | コメント (0)

July 20, 2004

演劇制作者の仕事を見直そう

fringeの blogにも書かれていますが、制作の仕事で正当なギャラをもらうためには、まず、自分達の仕事をきちんと見直さなければならないと思います。

ビジビリティという言葉があります。「ビジビリティ」(visibility)とは可視性、(社会的)認知(度)、知名度という意味で人の目に付き、気づいてもらう度合いのことをいいます。

「ビジビリティ」をマネジメントするには;

・Contents(自分の中身:能力・実績など)を明快に表す
・Context(自分を売り込む状況文脈)を読む
・Communication(自分を伝える姿勢)は自然体

という3つのCがキーポイントになるそうです。

今、小劇場界の制作者には「ビジビリティ」という発想が必要なのではないでしょうか?

小劇場界の制作者は、ごく一部のプロデューサーを除いてその多くが顔の見えない存在でした。劇団では役者や演出家の兼任であったり、また専任に近い人がいても、仕事の内容を整理・分類する暇もなく、公演に明け暮れる劇団活動にうもれた存在だったと思います。しかし、本来、制作は演出家と並んで劇団の屋台骨を支える柱となるべき存在なのです。運営の責任者として、重要で、やりがいのある仕事です。

最近、本当にいろいろな地域の劇団から「制作業務をどうにかしたい」との声を聞くことが多くなっています。どの時代にもあったことでしょうが、劇団が3年、5年と活動を続けていくと必ずこの問題にぶち当たります。これをブレイクスルーするためにも、制作の仕事とはなにかを具体的に考えるべき時期にきているのだと思います。

小劇場界の制作者のみなさん、まず上記の3つのC、考えてみませんか。

参考サイト:インテリジェンスの転職支援

投稿者 川南 恵 : 10:12 AM | コメント (0)

July 13, 2004

サマースクーリングの思い出

毎年、夏がくるたびに、懐かしく思い出すのはサマースクーリングのことです。

私は全日制の大学に進学せず、通信学部で舞台美術デザインを学んだのです。短期大学通信学部では通学生と同じく2年間のカリキュラムをおこないます。しかし、通学生と同じ2年間で同じ単位を取得し、2年間で卒業を目指すことは大変ハードな勉強をしなければ不可能です。通信学部生のほとんどが仕事をしながら学んでいる社会人です。課題は実技もありますが、理論のレポート提出や試験もあります。毎日の仕事の合間にコツコツと勉強をしていくことがいかに大変かは経験者でないと理解できないでしょう。

そのなかで、もっともハードなのは夏のスクーリングでした。

夏になると通学生は夏休みに入ります。その空いたキャンパスを使って通信学部生が7月末から約3週間ほど、通学しての授業がおこなわれます。通信学部生だけで1000人が夏のキャンパスに集まります。授業は毎日午前9時から午後5時までびっしり。私の通った1985年、86年の夏は毎日35度、36度といった猛暑でした。その当時の教室にはほとんどクーラーなどついていません。描いている絵に汗がしたたり落ちないよう、タオルではちまきしてのドローイング授業や、真夏の炎天下や体育館で3日間ぶっ通しで行われた体育の授業など、「気力・体力」なくしては続かない3週間でした。スクーリングは通信課程では修得不可能な単位を取得するために行われますので、1コマでも休むことは考えられません。せっかく仕事と折り合いをつけて(中にはサマースクーリングの度に会社を退職する人もいました)3週間空けたのですから、どんなことをしてもすべての授業をクリアする、そんな気合いの入った毎日でした。

2年目のスクーリングに「生き残る」人は、僅かです。1年で脱落するする人が大変多いのです。通信学部への入学は試験入学がありません。だから楽だからと思うのでしょう、大学受験をしたくない若い人も沢山入学してきます。しかし、その若い人達はほとんど2年目にはいなくなるのです。自分で自分を律して勉強を続けることはそんなに簡単なことではないのです。

通信学部生の当時の卒業率はわずか9%、100人入学して9人しか卒業できないのです。私は3年での卒業を目標にしていましたが、1年まったく勉強できない年があって、結局4年で卒業しました。その9%に入れたことを私はとても誇りに思っています。武蔵野美術短期大学は1999年でなくなり、通信学部も大学の造形学部4年間になったそうです。

今年もきっと暑いでしょうね、鷹の台のサマースクーリング。

投稿者 川南 恵 : 06:11 PM | コメント (0)

July 12, 2004

観劇感想4「戯曲の力について」

アトリエ劇研 t3heater の「2人の守衛」(作・演出 田辺剛)を土曜日のマチネで見てきました。

最近は地下鉄に乗ってどこかへいく=遠出に感じるようになってしまって、劇研にはずいぶんといってなかったのですが、今年の目標「初見劇団を見る」べく出かけました。

久しぶりに「骨太い戯曲」に出会ったと感じました。この戯曲なら、小劇場の役者を使うのではなく、新劇などで活躍している俳優と、そして同じく力量のある演出家が上演した方がより質の高い作品が作れるのではないかと思いました。私はいわゆる公演プロデューサーではないのですが、この戯曲にはちょっと気持ちが動いてしまいました。

小劇場系の芝居を見ていると、俳優の演技には残念なことに毎回、失望させられます。演出家の技量も心もとないことが多いのです。しかし、戯曲には、たまに「ああ、これで、あの俳優なら、あの演出家なら、どんなに魅力的な作品になるだろう」とワクワクすることもあります。今回「2人の守衛」を見て、あらためて演劇は「はじめに戯曲ありき」なんだと感じたのでした。

投稿者 川南 恵 : 11:12 AM | コメント (0)

July 08, 2004

Jericho2の事例:チラシ挟み込み

引き続き、「チラシ挟み込みはいくらか?」に関してです。

昨年7月に京都芸術センターセレクションvol.2として上演した Jericho2(作:松田正隆、演出:三浦基、主演:内田淳子)ですが、サイト上の活動事例がまだアップ準備できていないので、このコラムで少し紹介していきたいと思います。

Jericho2 では制作作業を分割して6名でおこないました。チラシ挟み込みは広報・宣伝担当者1名。広報・宣伝担当者の仕事は3回にわたるニュースレター(チラシ)の配布・発送作業、ポスターおよびフライヤーの配布作業、受付スタッフ手配の3つです。この仕事を8万円(税込)でお願いしました。挟み込み作業、DM発送作業のためにかかった交通費も別途支給しました。

Jericho2の支出は約380万円、制作6名の人件費は計44万円、支出の約11.8%です。
共演のピエール・カルニオさんをフランスから、演出の三浦基さんを東京から招聘して、2ヶ月近く京都に滞在させての企画ですので、少し特殊な予算内容ではありましたが。

広報・宣伝の紙媒体としては、仮チラシ1200枚、ニュースレター3号分(リソグラフで印刷し1ヶ月に1回の発行で3ヶ月)で24,000枚、A1ポスター100枚、A3ポスター500枚、A5カラーフライヤー2000枚です。

広報・宣伝担当者は4月からの3ヶ月間、毎月発行されるニュースレターの配布先・挟み込み先をどこにするか、置きチラシをどこにどの位配分するか、DM発送先のプランと発送作業、ポスター・フライヤーの配布などの実働をしてもらいました。またセンターと他の劇場などでの挟み込みバーターもあるので、その交渉手配も広報・宣伝担当者にしていただきました。1回だけ、別途、他の方にポスター20枚とフライヤー300枚の配布をアルバイト料3,000円でお願いしました。

制作作業は制作チームのMLでのやりとりされ、制作責任者の私がすべての動きを確認はしていますが、広報・宣伝の責任は担当者にまかせてありました。

広報・宣伝担当者から報告のあった実働日数は、DM発送作業4回、挟み込み8回、ニュースレター印刷6回などで17日間、それ以外の日でポスター・フライヤー配布が20カ所。広報・宣伝担当者は同時期に他にも制作の仕事をしていましたので、そのついでにという日もあったと思いますので、きっちりとした作業時間を出すのは難しいでしたが、1日の作業時間は3,4時間位だと思います。

これらの作業と、その作業をプランすることの労働の対価は8万円、どうでしょう?

投稿者 川南 恵 : 04:10 PM | コメント (0)

July 06, 2004

「チラシ挟み込みはいくらか?」具体的提案

「チラシ挟み込みはいくらか?」調査にご協力いただきましてありがとうございました。

いくつかのデータを検証してみての私の結論は、「時給」です。価格の設定としては世間一般の時給も考慮して、30分500円、時給は1000円が妥当な価格ではないかと思います。

時給換算の理由ですが、同じ枚数でも公演によって、挟み込みに参加する団体+バーターチラシの量が異なることがあるからです。劇場での公演では劇場間の「バーター」でチラシを挟み込む作業が行われます。この善し悪しはともかく、現状では、500枚で30分で済む場合と、1時間かかる場合もあるからです。

ただ、時給換算する場合には、挟み込み開始から終了までを確認するすべがないので、それがネックになるかもしれません。挟み込み開始時間は先方で決められていますので、作業終了時に挟み込み作業者から依頼者へ「終わりました」との電話一本もらうことなど、なにかしらの手続きが必要になるでしょう。まあ、仕事を依頼するには、信頼関係がなければできないことでしょうから、お互いの納得のいく方法で決めればよいと思います。

もし、チラシ枚数で換算する場合であれば、東京のNextさんが折込代行として演劇関係のチラシ定型1枚3円(手折込出張代行だと5円)を設定していますので、それを参考にして3円位でしょうか。

もちろん、「じゃ、挟み込みをするのなら、1時間1000円(1枚3円)をもらわないと割に合わない」ということではありません。日頃、自分(劇団員)達があたり前のように行っている労働をお金に換算しておくことで、制作者の仕事がいくらのものなのか、その参考にしていただきたいのです。

公演の規模が大きくなれば、当然チラシの枚数も増えていきます。数千枚単位のものが数万枚単位になったとき、自分達だけではまかないきれない場合がきっと出てきます。

自分達以外でもできる作業は、思い切って外部に委託して、その大切な自分の時間を「買う」ことができるのではないでしょうか?そしてフリーの制作者には「挟み込み代行」という仕事も考えられるのではないでしょうか?労働の対価をもらっていくことが、制作者の意識をより高めていくことができる1つの方法だと、私は思います。

投稿者 川南 恵 : 05:01 PM | コメント (0)

July 05, 2004

ある達成感

せつこのロンドン演劇留学レポート、更新しました。

藤野節子さんは文化庁平成15年度新進芸術家留学制度で昨年9月からロンドンに1年間の留学中です。留学先にマイズナー・テクニックを教えるインパルス・カンパニー、あと1名の俳優に師事し、演技の技術について研修しています。

海外のコースは大体9月から7月上旬で1年としています。藤野さんも今、1年間の課程を無事終了し、ほんとうにほっとしていることと思います。

留学生活にはタフな精神が必要です。
1人前の大人が外国の地ではまるで小学生のような体験をしていく、そんな毎日はストレスの連続です。言葉や文化、生活習慣の違いの中で1つの目標に向かって勉強していくには、慎重さと大胆さ、謙虚さと自己主張の強さ、集中力とリラックスといった相反する能力が求められます。銀行口座1つ開設するにも、修理一つ頼むにも、日本に住んでいる時のようにはいきません。

レポートは毎週届けてもらうようにお願いしていました。しかし、月日が経つにつれ、だんだんと届く間隔があいてきました。なぜなら藤野さんがロンドン生活に慣れてきたから。今の自分の生活に100%集中していることが毎日の生活を多忙にしていきます。そしてこれは私にとっても嬉しい事なんです。

留学から10ヶ月、1つの目標をクリアしたその達成感は体験者にのみ与えられたご褒美だと思います。「コース、終わったよ!」という報告を聞き、私自身の過去の記憶が甦ります。あの達成感を一緒に味わうことができる幸せを感じます。

投稿者 川南 恵 : 09:53 AM | コメント (0)

July 02, 2004

観劇感想3「お茶会演劇」

劇団衛星の「珠光の庵」- 行の巻 - を今日のマチネで見てきました。
会場は新京極総本山誓願寺。
外から見たよりずっと、広い境内。町中に贅沢な空間がいかにも京都らしいです。

emizo さんのblogにもどんなお芝居だったかが書かれています。私は仕事としてこの劇団に関わっていますので、感想を書くのは禁じ手だと思っていたのですが、あえて、ここに書きたいと思いました。とてもとても素敵な時間を過ごせたので。

今日のお芝居を見て、演劇は空間表現であること、演劇は物語の芸術であること、演劇は娯楽であること、演劇はもてなす者ともてなされる者の一期一会であることを体感しました。そして、それは茶道も全く同じだと思いました。

昨日1日は祇園祭切符入り。
町中が高揚しはじめた京都で、お茶会演劇、なんてお洒落なんでしょう。
劇団ではこの「珠光の庵」を今後も続けていくようです。
次回は、是非、着物で、年輩のお友達を誘っていきたいものです。

投稿者 川南 恵 : 06:15 PM | コメント (3)