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January 28, 2004

お奨めの本「クラシカル・アクティング」/演技・演出

「クラシカル・アクティング」
著者:マルコルム・モリソン
訳:三輪えり花
出版社:而立書房
価格:2000円+税

原題:Classical Acting
著者:Malcolm Morrison

この本は2003年12月に翻訳出版されました。著者のマルコルム・モリソンは古典劇を「緻密な構成で、ある時代とある作家を代表する作品で、時と場所を越えたテーマを持ち、高尚で文語的な言語が使われていることが多く、時代に耐えぬいてきた戯曲。口語や現代の状況からはかけ離れている」と定義し、シェイクスピア、モリエール、ソフォクレス、ジョージ・バーナード・ショー、イプセン、チェーホフなども含めています。

現代の俳優が古典劇を演じる場合、現代劇を演じる場合とは異なる演技の技術が必要です。この本には古典劇に対して、俳優がどのようなアプローチで戯曲を読んだり、セリフを言ったりすればよいか、また演技のプロセス~キャラクター分析、リサーチ、動きや声~などが読みやすく書かれています。

各章の終わりにはエクササイズものっている実践的な本で、俳優の方はもとより、演出家、劇作家にもおすすめの本だと思います。

投稿者 川南 恵 : 02:20 PM | コメント (0)

January 27, 2004

演出家の力量

大阪市立芸術創造館に演出ワークショップの試演会一般(演出経験者)部門を見に行きました。これは第1回大阪現代演劇祭の事業の一環でおこなわれたものです。

演出家の松本修さんと若い演出家たちが俳優の参加で数日間ワークショップをし、試演会では5つの短いシーンに1つのシーンにつきを2人の演出家が俳優を使って行うものでした。受講生の演出家1人につき10分程度の短いシーンでの発表です。ワークショップも短い期間でしたので完成度を求めるつもりはなかったのですが、それでも演出家1人1人の「今、持っている実力や個性、センス」はあきらかに見えました。

試演会後には講評があり、各演出家が何をやったかを話をしたのです。面白かったのは「説明をうまくできない」演出家の作品は、そのシーンの目的や意図がはっきりしなかったように私には見えました。
松本さんもおっしゃってましたが、改めて「演出家は雄弁でなければ」やれないなあと思いました。考えてみれば私の知っている演出家は外国人も日本人も「ものすごくよくしゃべる」なあって気がつきました。
そう、演出家は「言葉」が武器なんですね。舞台美術や照明や音響は自分の意図やセンスはその「デザイン」に反映されます。しかし、演出家という職業は俳優にもスタッフにも「言葉で指示」をださなければならない仕事です。ですから、「自分が何をやりたいか、これは何を目的としてやるのか」を説明ができないと俳優もスタッフも演出家の意図を具現化できないのです。

なんとなく、「こんな感じで」とか「人間って色々あるじゃないですか」見たいな、焦点を明確に「言葉」に「思考」にできない人の演出はそのまま作品に出てしまうのです。

今回の試演会を見ていて私は意図がわからなかった作品がいくつかあって、その作品は講評で自分がなにをやりたいかを十分に説明できなかった演出家と一致していました。勿論、短い稽古で何ができる?とも言えなくはないけれど、それでも、その演出家の「今の力量、その人が何を考えているか」は作品に出てしまったと思います。そんなことをあれこれ考えた興味深い企画でした。是非、継続していただきたいと思いました。

【お知らせ】
俳優指導者養成ゼミのゼミ・レポートを開始しました。開講までは、ゼミに関する様々なトピックスを掲載いたします。第1弾はヴォイス・トレーニングの池内美奈子さんへの10の質問です。又、ゼミ開講中は、ゼミ・アシスタントのレポートがほぼ毎日更新されます。ライブレポートですので、「今日」何が行われたかが手に取るように分かるはずです。

投稿者 川南 恵 : 11:13 AM | コメント (0)

January 23, 2004

読書のすすめ

巷では第130回芥川賞作家に19歳と20歳の女性が選ばれたと話題ですね。
その受賞された方のことを少し調べてみたんですが、2人とも本を沢山読んでいます。「小説家を目指すのだからあたりまえさ」と思うのですが、昨今は当たり前ではないかもしれないです。そう考えたくなるのも「何々を目指すのだからその世界のことを知ろうとするのは当たり前」ではないような若い人達に毎日のように会っているからです。

fringeのblogで田辺剛さんが書いているように「演劇やっているんだったら『別役実』くらい知っておこうよ」と言いたくなる人達に共通するのは、「知ることに対する貪欲さ」の欠落でしょうか。

俳優、劇作家、演出家になりたいのに戯曲を読んでいない人って、戯曲以外の本も読まないのではないでしょうか?俳優志望者、劇作家志望者、そして演出家志望者の読書量ってどの位なんでしょう?子供時代から読書する習慣を身につけられなかったのでしょうか?

舞台美術家をしていた時の私の本棚はものすごい量の本や資料でした。絵画や写真はもとより、文字だけの本もデザインには必要だったのです。日々増え続けていくその本にどれだけデザインの作業を助けられたことでしょう。「演劇」というのは「再現芸術」だと思うのです。創造者の感性や独自性を支えるのはインプットされた「知識」の柱だと思います。知識をいうものは面白くて、知れば知るほど知らないことが増えていくのです。「自分に必要な知識かどうか」を自分で選別できるようになるためにも、ある時期にめったやたらに吸収する、蓄積することが必要なのです。

読書は誰にでも手軽にできます。本を買うお金がなかったら図書館で借りればいいのです。アウトプット「芝居」の質を上げるためにも寸暇を惜しんでインプット「読書」して欲しいと願っています。

投稿者 川南 恵 : 11:20 AM | コメント (0)

January 22, 2004

コレポン

私の仕事のなかに「コレポン」という分野があります。
「コレポン」とは英語の correspondence の略であり、通信や文通など、文書をやりとりすることで、海外の取引先と主に英文の手紙やメールでコミュニケーションを行うことを指します。舞台芸術コーディネーターの仕事としての「コレポン」とは日本に誰か芸術家を招へいする企画や、日本の芸術家の海外公演、海外の芸術家の来日公演などの交渉ごとをすることです。主催企画の場合もありますが、主にクライアントの依頼を受けて連絡作業をおこないます。「交渉先ーコーディネーターークライアント」という双方向のやりとりの間にはいり、やりとりをおこないます。

この海外とのやりとり、1990年代では電話やfaxがメインだったのです。電話の場合、時差を考慮して、先方の営業時間にかけなければなりませんから、「夜の6時から翌朝2時までが仕事の時間」、なんてこともありました。そんな場合でも、翌朝の10時からは日本のクライアントから電話がかかってきたりしますので、2時の仕事終了後にぱっと寝てしまう必要がありました。

今はやりとりのメインはe-mailです。e-mailのおかげで「コレポン」は大変便利になりました。日本時間で夕方その日の仕事の終わりまでにメールを作成し、先方に送っておく。そうすると翌朝、こちらが仕事をはじめようとコンピュータのスイッチをつけ、メールチェックをすると先方からの返事が来ているという具合です。

便利にはなりましたが、「コレポン」にはいつもスリルがつきもの。
特に、必要な情報を締切までに入手したい場合に、相手からなかなか返事がこない。こんなことは海外との交渉ごとにはつきものです。はらはらしながら、毎日のように催促のメールを送るのも仕事のうち。朝、メールでの念願の返信をみて「やったー」と思うのもコーディネーターの仕事の醍醐味でしょうか。

「コレポン」は地味な作業です。要領を得た文章を書くテクニックも必要です。「こんな交渉に対応する上手い言い回しの英文集」なんてお手本はないので、実際の仕事で様々なケースに対応しながら上手くなっていくものだと思います。
「オン・ザ・ジョブ・トレーニング」見たいなものですね。

投稿者 川南 恵 : 11:21 AM | コメント (0)

January 20, 2004

演劇人も健康第一

演劇公演やワークショップを開催する際、プロデューサーとして気にかかるのが「病気・事故」です。幸いにも今までに主催したもので大したことはおこらなかったのですが、それでも関係者を病院につれていったことが何回かありました。私のケースでは招聘した外国人が「腰」を痛めて通院をした人が3人いました。これには原因もあります。それは長時間のフライトで疲れていること。勿論、旅の疲れをとってもらうことと時差ぼけ対策に来日してから2日間は「時差調整日」として休日にしていますが、それでも慣れない国での仕事が身体にこたえたのかもしれません。ちなみにこの治療費は彼らにかけていた保険でカバーしました。

プロデューサーが常に気を配らなくてならないことの一つに「キャスト・スタッフの体調の変化を見逃さない」ことであり、「体調を崩した人を見つけたら早めに対処する」ことがあると思います。

特に直接、観客の目に触れる俳優は急病で休まれると大変です。かといって病気なのに無理に舞台に立ってもらっても観客には満足のいく公演にはならないと思います。ロンドンでミュージカルのロングランの舞台に2年間出演していた経験のある友人は「毎日の生活は規則正しいのはあたりまえでした。夜更かしはしませんし、日中は体調を整えるレッスンなどに通っていました」と言っていました。週1日の休演日と、年に2回ほど数週間のオフがある以外は毎日舞台に立たなくてはいけないプロの舞台人としては普段からの「健康管理」は常識なんですね。

舞台関係者の健康についての研究もはじまっていて芸団協 では「芸能と身体」という調査研究がおこなわれています。2004年春には「実演家等の啓発(身体ケア)」関連のセミナーも開催されるようです。

プロデューサーや制作者も「自身の自己管理」が出来ないようではプロとして仕事が出来ない人と見なされるでしょうから、健康管理に十分気を配り、多忙であっても疲れをためないようにしたいですね。

投稿者 川南 恵 : 04:19 PM | コメント (0)

January 16, 2004

演技に磨きをかけるチャンス

文化庁 が毎年募集している新進芸術家国内研修制度 をご存じですか?

この制度は原則として日本国籍を有する者又は日本の永住資格を有する者で、年齢は毎年9月1日現在で18才以上、35才以下である人が対象の「国内での研修」を支援するものです。申請する者が自ら希望する研修施設等(個人を含む)を選び、あらかじめ研修の許可を得たうえで、その指導の下で独自の研修方法で研修する制度で研修期間は6月から翌年3月末までの10カ月間、月額15万1千円の経費を支給されます。

この経費とは研修に直接かかるものに対しての支給になりますので、たとえば研修先への交通費、宿泊費、レッスン代などのことです。映画や観劇のチケット代や書籍代も分析・研究のためであれば対象になります。でも家賃や生活費への充当はできません。あくまでも研修費です。

募集要項は毎年6月頃に配られ、申請者は「新進芸術家国内研修制度推薦団体」もしくは各都道府県教育委員会及び各政令指定都市教育委員会文化担当課(以下推薦団体という)を経由して申請書の提出をおこないます。各地域、団体によってその締切は違いますが8月中になります。
平成16年度の募集では演劇は10名、舞台美術等は5名でした。前年の平成15年度の合格者では演劇10名は全て俳優さんでした。

応募資格に;
現に専門とする分野で芸術活動の実績があり、かつ芸術家等としての将来性があると認められること。
とあるように、現在活動している若い人が対象です。

研修先は個人への師事でも可能ですし、スケジュールが事前にわかっていれば、各種ワークショップでも可能なはずです。

申請からの流れは;
9月1日  推薦団体から文化庁へ提出締切     
10月中旬から下旬  書類選考     
11月中旬から12月中旬 面接選考(書類選考通過者のみ対象。場所は東京)   
1月下旬  内定通知  
5月中旬  正式決定       
6月から  研修開始

若い俳優の方々はもっとこの制度を利用されたらいかがでしょう?研修先を探したり、各種書類をそろえたり、申請後は1次の書類選考と2次の面接選考と面倒な手続きがあります。しかし、本気で今後も演劇の世界でやっていこうと考える方には是非、この制度を利用して研鑽を積んでいただきたいと思います。

投稿者 川南 恵 : 03:30 PM | コメント (0)

January 13, 2004

観劇感想1「俳優の演技について」

年始に今年は未見の劇団の芝居を見ることを心がけると決心しました。
観劇初めは大阪の劇団、南船北馬一団の「むこうみずなとり」京都芸術センターセレクションVol.8でした。
正直なところ、芝居を見ていてとても辛かったです。
特に俳優の演技が。

私が観客として芝居を見るとき一番気になる点は「私を信じさせてくれるかどうか」です。静かな演劇でも、エンターテイメント系の演劇でも、ミュージカルでも、お笑い系でも。
舞台で俳優がその役を「生きてくれるかどうか」で、その舞台の世界を信じることが可能になるからです。

演技の技術というのは多種多彩であると思います。表現形態によっては特定の方法を使ってーインプロであるとか、メソッドであるとかー基本が構成されていたりします。しかし、どのような方法をとっても最終的に到達すべきは「役としてその舞台に生きてそれを観客に信じさせられるかどうか」だと思います。

南船北馬一団の「むこうみずなとり」の公演では、演技を色鉛筆に例えると4色くらいしかバリエーションがなかった。そしてそのタッチも太いか細いのどちらかであったのでした。そのような演技をなぜするのかはわからないけれど、自分のセリフを支えているその役の感情、感覚を瞬間瞬間にきちんとキャッチしていないように見えました。1人1人の役の心の動きが見えず、セリフで表現されていることが俳優の身体を通って、言葉となって発せられているとは見えなかったのです。

舞台上で起きる出来事というのは戯曲には書かれていて、俳優は当然それを知っています。しかし観客は知りません。次の瞬間どんなことが起こるのかをワクワク待つことは芝居の醍醐味だと思います。そして俳優はたとえ次のセリフを知っていても、舞台の瞬間瞬間に、その状況からその役が発した言葉として表現できてこそ観客を信じさせられることができるのではないでしょうか?この芝居は会話中心でありましたが、声と言葉の織りなす色彩は演じる俳優の技量によって何百色にも広がってゆくものだと思います。そして会話だけでもその舞台の設定を創りだすことが可能なのです。

実は今回のようなことは他の芝居を見ていてもよく感じることなのです。特に若い俳優の方の演技には。
彼らにはもっともっと戯曲の読み方(テキスト分析)、役柄へのアプローチの方法(演技)、声とセリフのつながり方(ヴォイス)、役柄としての身体(ムーブメント)などを探求してもらいたいなと改めて思ったのでした。

投稿者 川南 恵 : 11:43 AM | コメント (2)

January 09, 2004

助成金申請書の書き方2

すでに平成16年度の助成金申請のピークは終わったと思っていたら、 文化庁がいきなり1月末締切の助成金を出してきて、ちょっとばたばたしています。。。

さて、ずいぶんと間があいてしましましたが、続きです。
前回は「自分を知る」でしたが、今回は「相手を知る」です。
この助成金申請を行う場合の相手とは「申請先」のことです。

舞台芸術に対する助成金・補助金の申請先についてはfringeのサイトに詳しく掲載されていますので参考にして下さい。

「相手を知る」ということは、各助成団体の助成制度の内容を把握することです。その為には申請書類の「熟読」が絶対必要です。申請期日、助成対象項目、助成金額、必要書類などなどを読み込むことも勿論ですが、自分の演劇活動がその対象となるか、研究することが肝要です。助成団体の過去の助成金採択情報をチェックするのも必要でしょう。

私が助成金申請の相談を受けるとき、相談者がその申請先のことを十分に知らない場合が多々あります。以前ある企業のメセナ担当の方が「電話で『協賛をお願いします』と問い合わせをしてきた劇団の方が当社の住所を知らなかったわ」とこぼされていました。これでは、申請者失格でしょう?

助成金を申請するということはある意味、演劇という狭い世界から外の世界の方々と接する機会にもなるのです。一般社会の常識は十分に身につけておきたいですね。

次回は申請書そのものを書くときについてです。

投稿者 川南 恵 : 04:01 PM | コメント (0)

January 07, 2004

大人になってから英会話をマスターするには2

今年こそ英語をかんばるぞとお考えの方へ、私の英語学習の経験をご披露したいと思います。あくまでも私個人の経験ですが、何か参考になるかも知れません。

私もご多分にもれず「まあ、ロンドンに行けば英語はなんとかなるだろう」と高を括っていた1人でした。
でも実際にはロンドンに行っても「なんともならなかった」のでした。

留学前に全然英語を勉強していなかった付けはロンドンで生活を始めたとたん回ってきました。
入学した Motley Theatre Design Courseでは日本人は私1人。この学校はフルタイムの1年のコースですので、日中のほとんど英語を「理解しようとする努力」に費やされたわけです。ロンドン生活の6ヶ月はほとんど話せなかった記憶があります。こんな状況で学校を続けられたのはひとえに「デザイン」のコースであったことと、校長をはじめ学校関係者や9人のクラスメイトの暖かい協力があったおかげなのです。

ロンドン生活の1年目は日本人と生活していました。これはフラットに帰れば英語を聞かなくて、また話さなくてすむという意味では救いでありましたが、私の「英語」のためには良くなかったことだと思っています。

ロンドンに生活して2年目あたりから、私の英語力がぐんと伸びました。
理由は簡単です。
英語を話すフラットメイトと生活するようになったことと、英語で仕事をはじめたことです。

仕事といっても学生の身分でしたから、BACRiverside Studiosといった、いわゆる Fringeやoff West endのイギリス版小劇場で舞台デザインを手がけるパートタイムではありました。
イギリス人のカンパニーメンバーと仕事をすることで英語で聞く、話すこと、また書類書きなどの読む、書く作業も必要なのでやらなければならなかったこの環境が私に「英語脳」を誕生させたのではないかと思います。自分の意見を主張できないと仕事が進みませんから、自ずと必死になります。そうやってある日、「あ、自分は英語で考えている」ということに気が付いたのです。それからは、英語を話すときは英語で考えられるようになっていきました。英語でケンカもできるようになりました。

学習の方法は色々あると思いますが、英語学習には「聞く・話す・読む・書く」のどれもが必要だそうです。これは、ごくあたりまえのことかもしれませんね。学校で読み書きはできるのに話せない人、英会話学校で会話はある程度以上上達しない人、などなかなか英語が上手くならない場合は何かが欠けているわけです。次回に続く。。。

投稿者 川南 恵 : 12:03 PM | コメント (0)

January 03, 2004

お奨めの本「13歳のハローワーク」/職業

新年明けましておめでとうございます。

昨年末から話題になっていた本を入手してきました。
村上龍氏の新作13歳のハローワーク」(幻冬舎)です。

本の帯には「いい学校を出て、いい会社に入れば安心という時代は終わりました。好きで好きでしょうがないことを職業として考えてみませんか?」とあります。
この本には514種の職業が書いてあって、ステージが好きな場合どのような職業があるかも書いてありました。

この章で興味深いのは俳優について「舞台俳優」と「劇団員」に分けて書かれていることです。
「舞台俳優とは演劇やミュージカルなどの舞台に立ち、そこで何らかの報酬を受けとっている人」のこと、そして「劇団に所属していても報酬がない場合は、舞台俳優ではなく劇団員」と定義しているのです。

村上龍氏は劇団員という名称の歴史:「大正時代から昭和初期には劇団員と呼ばれている職業はインテリの代名詞だった」と書いています。しかし、現代の「劇団員」に関しては「単に無意味な苦労をしているだけなのに、それを充実感だと思い違いしている若者も少なくない」と書いています。そうです、現代の劇団員とは主に「アルバイトを職業としながら劇団に所属して演劇活動を続けている人達」を指しているのです。

この本はタイトルに「13歳の」としているように将来どのような職業に就きたいかを具体的に考え始めるべき読者に向けて書かれているようです。しかし、すでに職業についている大人でも十分楽しめる、また、考えさせられる内容でもあります。

私は幸運にも好きなことを職業にし、報酬を受けとる仕事にできました。そしてこの職業以外は考えられないほど自分にぴったりの職業だと思っています。

その一方で私のまわりには劇団活動を行っているあまりにも多くの人達が「30歳前後」でその活動をやめてしまったりしています。それはどうしてなんでしょう?
彼らの活動は彼らにぴったりの「職業」になっていないからでしょうか?好きだから続けられるかといえばそう現実は甘くはない、好きだからこそ続けていくためには好きなことを職業にしていけるだけの才能や適正、そして継続していく能力が自分にあるのかを熟考することが必要だと思います。

そんなことを考えさせられるこの本、劇団で活動している方々に是非、読んでいただきたいです。

投稿者 川南 恵 : 04:46 PM | コメント (2)